敬いと親しみの両方を感じられる藏前神社とゆかりの落語元犬,阿武松
藏前神社は、元禄の頃に石清水八幡宮を勧請して建立された神社で、蔵前八幡とも呼ばれます。
誉田別天皇、息長足姫命、姫大神、倉稲魂命、菅原道真公、塩土翁命が祀られています。
Contents
藏前神社の歴史
1963年、江戸城の鬼門を守護するために創建された藏前神社(当時の名は石清水八幡宮)は、1732年に火災で焼け落ち、一時は浅草三嶋町に移転していました。
蔵前に戻ったのは1744年です。
その後、関東大震災や東京大空襲でも本殿の焼失に遭いますが、その度に再建され、1955年に現在の名「藏前神社」と改称されました。
詳細は藏前神社公式HPで
藏前神社
鳥居はふたつ。
神社の南側と東側にあります。
鳥居
これは南側の鳥居。
福徳稲荷神社
参道を進むと左手にお稲荷さんが。
福徳稲荷神社。
もとは隣にあったお稲荷さんを蔵前神社へ合祀したそうです。
手水舎
東の鳥居を入ってすぐのところに手水舎があるので、どちらかというとこっちが正門なのかな?
本殿
本殿です。
狛犬
右の狛犬さん
左の狛犬さん
東側の鳥居
反対側の鳥居です。
セブンイレブンのほう。
落語と藏前神社
本殿の右手にいきなり落語の話が。
蔵前神社(蔵前八幡)が舞台となる古典落語を紹介しています。
古典落語「元犬」
白い犬は人間に近く、信心すれば来世は人に生まれ変わると聞いた白犬。
できれば今生で人になりたいと、蔵前八幡さんへお百度参り。
願いかなって人の姿に変わった犬は奉公へ。
主人が女中のお元さんを探して「お元はいぬか」と尋ねると、「元は犬でしたが、今朝人間になりました」
というお話。
参考:元犬|Wikipedia
古典落語「阿武松」
力士隈武文右衛門に弟子入りした小車は、並外れた大食い。
これではとても養って行けぬと破門されるも、拾ってくれた錣山喜平次の下で阿武松と名を変えて才能を開花。
文政5年。蔵前八幡の勧進大相撲で隈武を下すと、その戦いぶりを気にった長州公に召し抱えられ、やがて第6代横綱に出世するというお話。
蔵前神社は、勧進大相撲の発祥の地だそうです。
素人力持ちと藏前神社
藏前神社は、相撲だけでなく「力持ち」という、重い石を担ぎあげる技を披露する催しの会場にもなった場所でした。
境内に力持ちの錦絵も。
この錦絵は隅田川のテラスでも見たことがあって、これってお相撲さんなんだと思っていたのですが、違うんですね。
素人の力持ち競技会ってことらしいです。
現代のウェイトリフティングといったところですが、すごく危険なことをしている絵も(笑)
静かで楽しい藏前神社
住宅に囲まれて目立たない場所にあるわりには、参拝の方が次々やって来ます。
落ち葉ひとつなく整然とした境内は、清浄で厳粛な雰囲気ですが、同時に落語の犬や錦絵もあり、敬いと親しみの気持ちを同時に抱ける楽しい場所です。
藏前神社へのアクセス
江戸通りと国際通りそれに春日通りが作る三角形の真ん中あたり。
都営大江戸線/都営浅草線の藏前駅が最寄です。
どちらからも3~5分くらい。
台東区蔵前3-14-11